適格請求書等保存方式の開始後、6年間は経過措置期間があるため、その間、課税事業者は、免税事業者との取引で経過措置が適用されます。

​●経過措置期間
2023年10月1日から2026年9月30日：仕入税額相当額の80％
2026年10月1日から2029年9月30日：仕入税額相当額の50％
※『適格請求書等保存方式の概要』より

​ただし、上記のとおり、2029年10月1日以降は仕入税額の控除がなくなります。
​取引先が課税事業者の場合、課税事業者が免税事業者の消費税納税分を負担することになるため、取引に影響する可能性があります。

免税事業者でいることの一番のメリットは、消費税の納税が免除されることです。​

ただし、課税事業者との取引では、取引の継続が困難になったり、消費税額分の値引き要請により売上が減少する可能性があります。前出のとおり仕入税額の控除も縮小していくため、取引先との関係をよく考え判断する必要があります。

免税事業者が適格請求書発行事業者（課税事業者）になったあとも注意が必要です。
もし適格請求書の要件を満たさない請求書等を受け取った場合、仕入税額控除が受けられません。そのため、買手側の消費税の納税額が増える可能性があります。

• 適格請求書発行事業者であることの確認
• 項目ごとの記載内容の確認

適格請求書発行事業者になった場合、上記のチェック作業が必要となるため、作業量が増え、チェック漏れの危険性があります。